· 

What a ニャンダフル Worldーコロン日記5

<恋の季節?>

僕たちは野性の猫じゃない。人間社会で生きていく上では野性の世界とは別の法則やら制約というものがあって、それを当たり前のこととして受け入れてきた。その一つに「去勢」がある。人間社会ではそのことについて、いまだ悩ましい問題があるみたいだね。僕の立場としては、いわゆる「野良」と呼ばれる僕の仲間たちが人間社会で白眼視されるのは耐えられない。これは人間社会できっちりケリをつけてもらわないとね。

で、その去勢をしている僕たちは「永遠の少年」ともよばれ、俗にいう「恋の季節」がめぐってくることはない。それでも、異性に胸をときめかせることはあるんだ。人間社会でいえば「淡い恋」ってやつ。それがマロンに訪れた...。

 

ある日の午後だった。僕がいつものようにのんびり昼寝していると、隣にいたマロンがグーンと背伸びをして「ちょっと行ってくる」といった。起き上がるやいなやマロンは店の出入り口にむかって歩き出し、ちょうど帰るお客さんと一緒に外に出て行ってしまった。僕はマロンがいつものように「巡回」にいくものとひとり合点して、再び目をつむってしまった。

しばらくすると、マロンの「帰ったよ~」の声で目が覚めた。マロンは僕のそばに来ると毛づくろいをしながらいった。

「店を出て川辺の緑地で一休みしてたらさ、柵のむこうから一匹の女の子がやってきたんだ。」その声は幾分興奮しているように思えた。

「真っ白な長い毛の子でさ、目は青いんだ。」やっぱり興奮している。

「それでもって僕の隣に座ったと思ったら毛づくろいをはじめたんだよ。」顔はもう真っ赤だ(マロンは茶毛だけど僕にはわかる!)。

「で彼女、なんていったと思う?あなた楽楽のとこの猫でしょ?わたし、すぐ近くに越して来たの。ミントっていうのよ。よろしくねっ、だって」

うんうんと僕はうなずき、「それで?」といった。

「いや、それだけ。あとは今さっき来た柵のむこうへ行ってしまった。はじめてみる猫だったけど、僕のこと知ってるみたいだった。なんでだろ?」マロンの心はもうここにはない。

「きれいな白い毛がフワフワ風にゆれててさ、丸い青い目はキラキラしててさ、また会えるかなあ、会いたいなあ、友達になれるかなあ」

僕はそんなコロンの様子をただポカーンとみているしかなかったが、なんだかこちらまで幸せな気分になったのは事実だ。

一足早いけど「春」がマロンに訪れたってことだよね。マロンの恋の行方をこれからも見守っていくニャン。

 

店の特徴

ここ江東区森下で中華料理店を開業したのが昭和5年。当初は中国人シェフがいました。戦時中、空襲をのがれてこの場所を離れていた時期もありますが、商売はずっと続けてきました。ふりかえれば90年近くの年月がたちます。今の店主で4代目。創業以来変わらぬ広東料理の味をぜひご賞味ください。

当店の自慢の一品はなんといっても「揚げワンタン」。揚げたワンタンに甘酢あんをかけたものですが、お客さんの誰もが「おいしい」と太鼓判を押してくれます。お持ち帰りもできます。でも、やっぱりお店で、揚げたてアツアツ、パリパリなのを食べていただくのが一番です。

店の看板かあさん(70すぎですが)とならんで楽楽には昔から、看板猫がいます。かつてはチョン、コナなんて名前の仔がいました。世代かわって今いるのがマロンとコロン。歴代の看板猫のなかでもとびきり人懐こい兄弟ねこです。外出?すること度々なので、いつでも会えますとお約束できないのが残念です。この二匹のいろいろな画像はこちら


東京〒135-0004東京都江東区森下3-13-2

純広東料理 楽楽

Tel: (03) 3631-1300